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2003年2月20日、北沢忠雄氏から1通の封書が届きました。開けてみると、中から出てきたのは手作りのパズル・ピース4つ。 発泡塩ビ板をカットして作られたそれが「シンメトリックス」だったのでした。 そして、「ぜひ解いて感想を聞かせてほしい」とのメッセージ。 受け取った「シンメトリックス」は次のような問題でした。 問題1: 4ピースのうちのいずれか2ピースで線対称な形をつくってください。 問題2: 4ピースのうちのいずれか3ピースで線対称な形をつくってください。 問題3: 4ピースを全て使って線対称な形をつくってください。 さらに、確認できている解は3問とも1通り、とのことでした。 そのパズルに対して私がどう感じ、どのように北沢さんに返信したかというと…。 −−−−− From: MINE To: Tadao Kitazawa Sent: 22.Feb. 2003 北沢さん 植松です。 シンメトリックス、昨日(もう一昨日ですね)受け取りました。 「感想を」と言われる対象として選ばれたことを光栄に思います。 まず、問題の内容がわかった時点で、 @パズルの意図が明確で新鮮。 Aピースが4ピースと少ない点もいい。 Bそれで、3問も遊べるのがまたすごい。 C左右対称形ということだけで、できるまで形がわからないのも興味津々。 という感想を持ち、もう素晴らしいと思いました。 そして、トライしてみた結果、 D4ピースとはいえクセのあるピースたちで非常にてごわい。 Eでも飽きない。 F解いた結果、特に4ピース解は形がいい。 私の場合、4ピース解を探している途中で、まず2ピース解、次に3ピース解も見つかりました。 そして、4ピース解を見つけるまでにはトータル2時間半くらいかかりました。Eに書いたように、出来上がった形がきれいだったのでそれまでのトライが報われる思いがしました。 3ピース解の形もいいですね。 以上、発想から実際の問題まですべて私にはとても好ましく、たぶん、この感想はこのパズルに挑戦する多くの人が持つにちがいない、と思います。 「解けるまで形がわからない」という点ではTパズルほど万人向けではないとも思えますが、多少なりともパズルに興味を持っている人にとってはTパズルに匹敵する(勝るとも劣らない)傑作だと思います。 そして、Tパズルよりも難しいですね。 (後略) −−−−− 「後略」部分では、製品化とIPPパズルコンペへの出品をお勧めしました。 製品化の方は、これまでに二度異なる場所で製作されて実現しています。 IPPパズルコンペへの出品は実現しませんでしたが、もし出品していたら入賞の可能性が十分にあったのではないかと、今でも思っています。 −−−−− From: Tadao Kitazawa To: MINE Sent: 23.Feb. 2003 植松さん 北沢です。 シンメトリックスの感想をお寄せいただきありがとうございます。 感想を読んで少し自信がつきました。 実は試行錯誤の段階でYHさんにもいくつかの問題を送ったことがあるのですが、その頃は別解が多かったり、簡単過ぎたりで、なかなかいいのができませんでした。 余談ですが、たぶんこれにヒントを得た問題をYHさんが植松さんに出されたのではないでしょうか? (後略) −−−−− そう、当時、北沢さんはパズル方面ではYH氏と最も親交が厚く、思い返してみると、私は2001年11月にすでにYHさんから少しだけそれにかかわる話を聞いていたのでした。ですから、「シンメトリックス」は着想からピース構成の決定までに1年以上をかけていたことになります。 さて、完成した「シンメトリックス」の存在を最も早く知っていたのはYHさんでしょう。そしてまた、全く予備知識なしに「シンメトリックス」に初挑戦させてもらったのは私、MINEということで間違いないでしょう。(北沢さんに確かめれば早いのに聞いていません) −−−−− 今回、2003年にピース構成が決定した元祖「シンメトリックス」と、その後、2005年に考案された3ピースの「シンメトリックス」これを「ジュニア」と称させてもらうことにして、セットで製作しました。 「ジュニア」の方は次の2問。 問題1: 3ピースのうちのいずれか2ピースで線対称な形をつくってください。 解は1通り。 問題2: 3ピースを全て使って線対称な形をつくってください。解は3通り。 3ピース問題の3解は「それぞれに異なる特徴があって面白いと思う」と北沢さん。 トライしてみた結果、確かにその通りで私も気に入りました。(もちろん、気に入らなければ製作したいと思わないわけで) また、3ピースとはいえ、問題2の3個目の解を見つけるのにはかなり手間取りました。解き応えは十分にあると思います。 −−−−− さらに実は、北沢さんは他のピース構成の「シンメトリックス」もときどき検討されている様子。 2005年にささやかに公表された別の4ピースのそれは、私が解を見つけて北沢さんに送ると「作意とちがう別解で初見」と何度か返事をされて、結局、全部で7通りの解(2ピース解が2個,3ピース解が1個,4ピース解が4個)が見つかりました。私は随分と悩まされ(それだけ愉しませてもらい)ましたし、その問題も大いに気に入っているのですが、北沢さんご自身はその結果も踏まえて、よりよいピース構成に昇華させたいようです。 ですから、いつかまた新たな「シンメトリックス」が満を持して発表されることでしょう。私はその日が来るのをいつも心待ちにしています。 |
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