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zoom RSS 2/748480 (2) Pentomino Tablet 6x10

<<   作成日時 : 2013/02/14 18:17   >>

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 前回の「ポリオミノ・クイズ」の答えは、

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 「ペントミノ12種の形すべてを含む」という条件で、なかでも下に再掲する9オミノ2種は最小単位のモノです。

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 この「ポリオミノ・クイズ」は、2011年8月頃に思いついてごく内輪のパズル仲間に披露したのですが、そのときは特にクイズとする以外の使い途は全く考えませんでした。

※ 後で知ったところでは、上の形の一方についてはずっと以前の2007年4月に aretさんが「パズルの問題は増すのかい?」でやはりクイズ形式で取り上げていました。流石!

 でも、ちょっとした小ネタと思うようなことでも何でも一応考えておくものですね。今回、それが新たなペントミノ・パズルにおいて予想外に大きな役割を果たすことになりました。

 「ペントミノ12種の形すべてを含む」ということは、そういう形の穴があればすべてのペントミノが通り抜けられるわけです。そこで今回まず最初に思いついたのは「密閉式3層式で内寸 6x10のトレイ上部に9オミノ2種どちらかの形の穴をあけてペントミノを全部入れられるか」という課題でした。
 上の画像の9オミノ2種の左を a,右を b とします。9オミノ形の裏返しを考えない場合 6×10からはみ出さない盤面上の9オミノ穴の位置は a,b それぞれ40通り考えられます。
 で、試しに a の穴について「この辺りがいいかな」と適当な場所を選んでパズル解析汎用プログラムにかけてみたところ、「6×10へのペントミノ12種の可能な詰め込み方は9356通り,そのうちでペントミノ12種を平行移動のみで出し入れ可能なペントミノ配置は1通りだけ」といきなりの好結果が得られたのでした。
 「では、他の穴位置ではどうか…?」と順次調べていったところ、得られる結果は「解なし」ばかり。でも、この解析作業、長いときには穴位置1箇所につき 20〜30分とかなりの時間を要します。平均15分としても 15×80=1200(分)=20(時間)、それも80個の穴毎に解析前の設定をし直してから解析をスタートさせなければいけませんからとても厄介です。それで考え方を変えて別のアプローチで調べてみることにしたらそれがとてもうまくいき、いともあっさりと「 a,b それぞれ解のある穴位置は40通りのうちの1通りのみ、しかもそのどちらとも平行移動でピースが出し入れ可能な解はユニーク」であると解明できました。つまり、最初に選んで調べた適当な a の穴位置がたまたま唯一の「解あり」の場所だったわけでこれは驚くべき偶然、この偶然に出っくわさなかったら全解明にまで至らないうちにこのネタをボツにしていたかも知れません。

 さて、これらの結果に、これらのパズルに名前をつけることにし、k16さんの「ちょいとパズルでも Puzzle will be played...」に登録してもらうことにもしました。1月31日にお願いして2月12日に公開されました。 (慢性的な処理待ちパズル・ラッシュのため、報告から公開までに日数を要す) 下の画像は k16さんのサイトのモノを借用して作成、k16さんお許しを。

Pentomino Tablet 6x10a  MINE © 2013
Solutions 1/9,356
Moves 1.3.2.2.4.3.3.3.3.3.3.3 No rotation required.

画像

Pentomino Tablet 6x10b  MINE © 2013
Solutions 1/9,356
Moves 1.3.2.2.4.3.3.3.3.3.3.3 No rotation required.

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 ここで、上の二つの画像の右側を見比べてもらうと、出し入れ可能なペントミノの配置は同じで、9オミノの穴についても1単位分が移動しているだけに過ぎないことがわかるでしょう。この一卵性双生児的な二つの解の可能性は穴位置を固定した条件下ではそれぞれ 1/9,356 なわけですが、ここで穴位置40通りのうちの39通りが「解なし」であるそれも含めてより広い見方をすると次のように考えることもできるのです。

◇ 6×10にペントミノを収める場合の解数は 2,339 通り。
◇ 上記にこのパズルの非対称形の穴を付すことを考え合わせると
  2,339×4=9,356 通り。(とここまでが穴位置を固定した条件可)
◇ さらに、穴位置が40通りあることを考え合わせると
  9,356×40=374,240 通り。


 つまり、それぞれのユニーク解の可能性は

Pentomino Tablet 6x10a 1/(2,339*4*40)=1/374,240
Pentomino Tablet 6x10b 1/(2,339*4*40)=1/374,240


 そして、この両者を考え合わせると 2/748,480 という、このブログ記事のタイトルに記した数値となるのです。このように分母がとても大きいにもかかわらず解がたった二つ、仲良く一つずつしかないのはスゴイと思いませんか?

 ただし前述もしているように、上はあくまでも No rotation required. ピースを回転させず平行移動でスライドさせるだけという条件下での解数です。
 そこで、上の二つそれぞれの穴位置について、ピースの回転を許した場合に解がどれだけあるか、それも調べてみることにしました。この調査も解析プログラムのお世話にはなるものの全自動のプログラム任せで結果が出せるわけではなく、けっこう地道な電脳ならぬ素脳でのチェックが必要でそれ相応の時間がかかります。それでも何とかこなせそうな回数のチェックで済みそうに思えたのでこれはやり遂げることにしました。もっとも、往々にして見落としや勘違いを起こしかねない素脳、人力での作業ですから、あくまでも下は参考値ということになるかと思います。で、その結果は

Pentomino Tablet 6x10a ピース回転ありの解数 8通り
Pentomino Tablet 6x10b ピース回転ありの解数 5通り


とこれも案外少ない解数に落ち着きました。
 さらに言うと、下の5通りというのは上の8通りにすべて含まれるものです。つまり、ピース回転なしの1解と同様、ピース回転あり5解のペントミノ配置は一致していて、6x10b の解にはなれないが 6x10a では成立する解が3通りあるというわけです。これはなぜかというと、その理由にはペントミノLがかかわっているのですが、皆まで解説するのはとりあえずやめておきましょう。結局 6x10b の方がトレイの制約がちょっとだけですが、より多いのです。

 ピース回転ありの解の例を一つ示しておきます。薄いグレーの部分がペントミノを出し入れできる穴、各ペントミノを必要ならば回転操作も施しながら(最初のうちはピースを回転させられませんが、いくつかのピースが抜けた後は回転できる領域が確保できますね)穴から順に出していってください。実物がなくても図を目で追うだけで全部抜き出せることをチェックできるでしょう。(上に書いた素脳チェックというのはこのような作業の繰り返しです)

画像

 さてもさて、ここでようやく冒頭写真の説明となりますが、写真に写っているのは 6x10a の試作品第1号です。
 k16さんのイラストのように単に9オミノの穴をあけただけの容れ物だと中に入れたピースの移動はトレイを上下左右に傾けての落下運動に委ねるしか方法がなくなります。けれど、ときには例えば左右の両側でピースの動きを止めておきたい場合もありますから、ピースの出し入れができない範囲内で補助的な操作用の窓を設けてあります。これでも不自由さは否めませんが、しばらく遊んでいるうちに操作に慣れて思い通りにピースを止めたり動かしたりできるようになりました。
 理想的にこのパズルを不自由なく遊ぶには、タッチパネル方式のPCなどに対応したパズル・プログラムをつくるのがベストだと思いますが、これは私の手には負えません。
 「決められた穴だけからしかピースを出し入れできないようにする」「でも中に入れたピースは思い通りに操作したいんだよね」 この二律背反の後者を十分には克服できていないかも知れませんが、試作品第1号はまずまずの操作性で、しかも(手前味噌ながら)見た目も「なかなか格好良いな」と思っています。
 このように、一度試作してみるとさらなるアイデイアも沸いてきます。それも加えてこのパズルの製品版を近々製作開始しようと思っているところです。(人がゼロからトライするには難し過ぎるパズルだと思いますから、稀なる発見を記念しての実物製作といったところ。私が見つけた解答パターンもすべて説明書に掲載するつもりです)

 ここまででもだいぶ長い記事になりました。
 “Pentomino Tablet” にはさらに別のタイプ

Pentomino Tablet 8x8o
Pentomino Tablet 8x8t

があり、それも昨日まではこの記事で紹介するつもりだったのですが、こちらは試作品もまだつくっていませんので、けっこう先のことになるでしょうがとりあえずの試作品だけでもできたときに改めて紹介することにします。k16さんのところではすでに紹介してもらっていますので、それまではそちらをご覧ください。
 ちょっとだけ書いておくと、8x8 の場合、さらに途方もない 2/57,951,744 という数値でピース平行移動だけの解が存在したことがわかったのでした。

 さらにまたこのタブレット・シリーズには、人がゼロからトライして遊んで、これぞ、ほどよく面白いであろう…ムニャムニャ…

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--- 追記 --- 2013/03/20 ---

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 “Pentomino Tablet 6x10a” の製品版です。(ペントミノ・ピースのレーザーカットが一部完了していないので、まだ全部のパッケージングはできていません。すべて出来上がるのは Tablet シリーズのもう一つのパズルとともに来週中くらいの予定です)

 仕様はほぼ冒頭やすぐ上にある写真に写った試作品と同じですが、一つだけ変えたのは、底板に下から指先を入れてピースを浮かすことができる円形の穴をあけた点です。上板の9オミノ開口部の真下、これでわずかではあるものの操作性が向上しています。

 なお、ペントミノ12個は4色各3個を、ピース回転なしの解で収めるときに辺でも頂点でも同色が接しないようにセット組みしており、その色の配置はセット毎に異なります。


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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
記事への追記、完了しました。
MINE
2013/02/15 14:01
とってもきれいなペントミノですね〜
きょうた
2013/02/15 18:15
製品版の写真を追加して、少々追記しました。
MINE
2013/03/20 14:32

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