9-triangle-puzzle

 他の方が考案したものでも、見た瞬間に「この作品を自分の手でカタチにしたい!」と思うパズルに出合うことがときどきあります。

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 最近のものでは “One more CUP of Coffee”,“FOXY silhouette”など…

 そしてまた、そんな一目惚れ作品に巡りあうことができました。

 9個の三角形ピースの長さの等しい辺同士をつなげて、一つの大きな三角形をつくってください。正解は1通りだけです。

 数学分野のプロフェッサー濱中裕明さんが数理を駆使してデザインした新趣向のマッチング(?)パズル、もちろん、数理を駆使したといっても、このパズルを解く際には高度な数学的知識が予め必要なわけではありませんから、誰でも遊ぶことができます。

 このパズル誕生の背景は、濱中さんご自身のブログ「低次元日記」に書かれていますので、そちらを参照してください。

 さて、濱中さんがつくられた9ピースには、9種類の異なる長さの辺を区別するために9色の○印のどれかが各辺が付されています。
 レーザーカットによってピースを製作するにあたり、濱中さんの意向も踏まえつつ、○印に代わるマークとして、3種の形、3通りの大きさの穴のいずれかを各辺の内側に空けることにしました。むろん、等辺同士には同形同大の穴が添えられています。そして、等辺をマッチングさせると辺の中央に円か正方形か正六角形が形作られます。
 (実は、これら3種の形と小・中・大の順番には濱中さんの当初のパズル設計の思惑が反映されていますから、9色の○印ピースよりも、濱中さんの作意が読み解きやすくなっています)

 そして、次の写真のモノがレーザーカットでつくったピースです。

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 製作所には、正解図の状態のレーザーカット用データを渡してカットしてもらいました … と、単にこれだけではパズルとして遊ぶ際に不都合な点が生じてしまうのですが、どう不都合かおわかりになりますか?

 それは…
 レーザーカットでつくったピースは、よく見ればレーザーが照射された上面(表)とその反対の下面(裏)を識別できます。上に書いた方法では、せっかくピースをあれこれ裏返したり表返したりして試行錯誤を愉しんでもらいたいパズルであるにもかかわらず、すべてのピースの表(あるいは裏)をそろえてマッチングさせれば正解が見つかってしまいます。
 9ピースの表裏の組み合わせは 2の9乗で 512通り、全部表と全部裏のような実質同じ組み合わせをセットにして数えたら 2の8乗で 256通り、つまり 256通りのうちの1通りだけを検討すればよくなってしまう、というわけです。

 そこで…
 製作所には、最初に描いた正解図とそれを反転させた正解図からつくった2つのレーザーカット用データを渡して半数ずつカットしてもらいました。 そしてそうしてできあがった二者のピースを適宜シャッフルしてセット組みし、全部表(=全部裏)の組み合わせに正解はなく、表裏が混ざり合った 255通りのいずれかに正解があるようにしました。ですから、解く際にはピースの表裏を気にせずに試行錯誤してください。(私にだけは、どの表裏の組み合わせに正解があるのかわかるようにはしてあります)

 さて…
 上のことも含め、誰でも遊べるパズルであるとはいえ、決して易しくはないでしょう。
 でも、解けたときには、濱中さんが意図した数理の整合性と美しさをきっと鑑賞してもらえることと思います。

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From: Hamanaka.Hiroaki
To: MINE
Sent: 23.Apr. 2009

今日、自宅に届きました。ありがとうございます。

さっそく、遊んでみました。
この大きさでも、まったく問題ないですね。
さすがはレーザーカットと申しましょうか、9種の長さが、「誤差」ではなく、きちんと違う長さと認識できるような加工方法ですね。

かといって、マークがないと、狂いそうですけど。笑

マーキングが、自分で施したものではないので、事実上、初見に近い状態で遊んでみました。

遊んでみて、、、、、、だれだこんな腹の立つパズル考えたのはー!爆笑

ともあれ、とても満足できる仕上がりでした。


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 考案者の方に上のような感想をいただければ、カタチにした甲斐がある、というものです。濱中さん、ありがとうございます。

 ところで、これは製作する上で意図したことではないのですが、レーザーカット版の9ピースはどれも、逆三角形頭に目と口がついたトボケタ表情の顔、に見えます。
 みんな口を開けて困っているような…ジョージ秋山の『浮浪雲』の登場人物の一人である将軍のお匙医の立花検校がいつもこんな表情をしている…というわけでこのパズルの私の中での別称は「9人の困ったチャン・パズル」、たぶん、トライし始めはアナタが10人目の「困ったチャン」になるのではないでしょうか?

 最後に、下の画像は、レーザーカットではなく両面カラー印刷でピースを製作できるとしたらこんな風にしたいな、と考えたイメージです。幅広い製作方法を使えるようになったときには、このような仕上げ方もしてみたいと思っています。

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 でも、一旦ピースを顔に見立ててしまうと、こちらも顔に見えなくはないですね。横山光輝の『鉄人28号』に出てきそうな三角覆面の陰謀団?


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