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<<   作成日時 : 2012/06/26 16:52   >>

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 3×3×3の市松パズルはとてもポピュラーな立体パズルのように思えるけれど、実は市松の3×3×3を最初から意図したパズル・デザイン(単位立方体27個を振り分けてピースを構成したもの)はほとんどないのではないか?

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 6月10日(日)に、「コーヒー&アトリエ かくれんぼ」さんで「パズル作りワークショップ」と題したイベントの1回目を行った。過去にも主として小学生向けのパズル工作教室の類の講師を何回か務めたことはあるが、今回は小学生またその引率の保護者だけでなく、自身が参加者である大人の人もいて、これまでとはちがった雰囲気のイベントを楽しく体験することができた。

 さて、パズル工作教室の題材としてこれまで最もよく使ってきたのが3×3×3の市松パズルであり、今回もそれを題材とすることにした。(パズルの見た目もよく、目的も了解しやすいのでとても一般向けだと思う。一般向けのパズルという点では、線対称形づくりパズルなどは敷居が高いというか、やはりややマニア向きの感あり。まして相似パズルその他、うーん、普段、マニア向けのパズルをつくりすぎているか)

 これまた今回もだが、市松パズルの例として、まずは「チェッカード・ソーマ・キューブ」を紹介した。「ソーマ・キューブ」は、最もポピュラー(古典的かつ代表的)な3×3×3のキューブ・パズルといえるであろう、その市松バージョンである。

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 ここでちょっと解説。
 「ソーマ・キューブ」自体を 3×3×3に組む解は 240解(鏡像解を別のものと数えると 480解)であり、上のように単位立方体に濃淡をつけた場合の市松解は21解(42解)、Lテトラキューブの濃淡を逆にすると市松解 219解(438解)で、濃淡のつけ方をそれ以外にした場合には 3×3×3 市松解はない。
 さらに、3×3×3内でのピースの配置違いはむろんのこと、濃淡のパターン違いもすべて別のものと考えると、7ピースのうち左下の3ピースは 180度回転対称軸をもつ形であり 特定の軸の周りで 180度回転させると濃淡の位置が入れかわるから、3×3×3内でそれぞれパターンが変わる2通りの収め方ができるわけで、3×3×3の解数は全1920解(3840解)となるのだ。
 なお、左上の3種のピースは面対称形であり(あ、左下端のNテトラ・キューブも面対称形ではある)、左の2種は 180度回転対称の軸をもつ,いちばん右は 120度回転対称の軸をもつ形ということもできるが、濃淡も含めて回転対称なので、これらのピースを回転させて収め直しても配色は変化しないから解数には影響しない。
(ところで、「ソーマ・キューブ」を市松にするというアイディアもまたピート・ハイン自身が考えたのだろうか? 私はそうではない気がするのだが、本当のところはわからない)

 話を戻す。
 市松解が21通り(42通り)あるとはいえ、そのうちの一つを見つけるのもなかなか難しいので、「チェッカード・ソーマ・キューブ」は入門的な市松パズルとして最適であると思う。

 次に、「もうちょっと難しいものにトライしたい」という人に紹介するのは「ステインハウス・キューブ」(3×3×3では比較的古いデザインだが、これもよい作品)を市松バージョンにしたものである。

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 これは本来は単色ピースで遊ぶべきパズルであろう、市松にしてもしなくても解のピース組みは実質同じだから、逆に市松ピースであることが解く際の大きなヒントになる。でも、それでもけっこう手こずらされる(私もそう)ので2解とはいえ、侮りがたい。今回これを「どうしてもつくりたい」という方がいらっしゃった。しばらく前から「かくれんぼ」さんにサンプルとして貸してあった「市松ステインハウス・キューブ」に何度かトライしたのだが、「まだ解けていないから」とのこと。

 そして今回、新たにワークショップ向けに市松パズルをデザインして紹介した。

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 このピース組みはk16さんのサイトで知った “Checkit” (いいネーミングだね)というパズルを参考にした。
 k16さんのサイトを見る限りでは、 “Checkit” が「単位立方体27個を振り分けてピースを構成した、市松の 3×3×3を最初から意図したパズル・デザイン」の唯一のものだ。

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 上図 “Checkit” の左上に並べた2ピースの形状は互いに鏡像であり、右下のピースは面対称形である。こんな点が私好みでないピース選択なので、その辺りを変えてみたのが “Checered 3x3x3 25555 1in6”。

 でも、ワークショップを終えた後でさらに市松パズルについて考えたところでは、2単位のダイ・キューブがピースに含まれていないほうが、よりよい気がしてきた。

 そこで、別の市松パズル・デザインを考えてみた。

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 上は、完全に非対称な(面対称でもなく回転対称軸ももたない)ピースだけを選んだもの。(テトラ・キューブ以下には完全な非対称ピースはないし、プレイナー・ポリ・キューブはみな面対称だ)

 しかし、それでは制約がきつすぎるので、3×3×3 市松パズルをデザインする際の新たな考えとして、「完全非対称ピースを主とするが、無駄に解数を増やすことがない面対称形や回転対称軸をもつピースなら使ってもよい」ことにした。

 なお、下は 3×3×3 市松パズルをデザインする際の必須ともいえる条件である。

◇どのピースも 3×3×3内で少なくとも2通りの置き方ができるものであること。そのためには、2×2×3内に収まるピースである必要がある。
◇単色ピースの場合には複数解、市松ピースにした場合にはユニーク解となるようなピース構成にすること。

 意をうまく表現して伝えることが難しいさらに細かい事柄があともうちょっとあるのだが、大きなところで上記に基づいて次をデザインした。

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 ここまでに紹介した MINE作の三つは、市松解が完成するときの各ピースの配置具合がそれぞれにイジワルっぽいと思う。難度の感じ方は人によってまちまちであろうし早く解けるかどうかについてはそのときの運も作用するだろうが、 この “Checered 3x3x3 345555 1in34” はけっこう厄介である気がする。(これの前に 1in35 も見つかったのだが、こっちのほうがパズルとして面白い気がしたのでこっちを採用した)

 なお、単色ピースの場合の解数が多ければ多いほど「よい市松パズル・デザイン」では決してないだろうが、一応その路線についても調べてみたところ、これまでのベストは 1in70。(ちょっと上に書いた条件の範囲内で、しかも自分の好みでないピースは最初から排除しているので、これが真のベスト記録ではないだろう、たぶん)

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 市松パズルの好ましいピース組みをさがすのはかなり手間がかかる作業である。
 単色ピースの場合と市松ピースの場合の両方を調べて候補を絞り込んでいかなければならないし、念のためいくつかの解析ソフトで結果が一致するかどうかを確かめたり、実際にピース・セットを用意して解き味を試し「よくない」と感じたモノはボツ…。
 しかし、ここまで書いてきてまだ市松パズル・デザインの決着がついた気はしないので、今後もまた、そのうち調べることになるのだろうなあ。多くの人が面白いと思う「3×3×3 市松パズル」の傑作とは、果たしてどのようなものなのだろう?

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--- 追記 --- 2012/06/28 ---

 上の文に誤りがあった。

 誤りはワークショップについての記述で「かくれんぼさんにサンプルとして貸してあった市松ステインハウス・キューブに何度かトライしたけれどまだ解けないのでそれをどうしてもつくりたいという方がいた」というところ。

 実はその方がトライしていたのは下の写真のモノなのだが、

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 市松の濃色箇所をさらに2色に塗り分けたこれは、調べ直してみたら「ステインハウス・キューブ」のピース構成そのままでなく、ペンタ・キューブ三つのうちの二つを鏡像ピースに変えたモノ(残りの一つだけを鏡像に変えても実質同じパズル)だった。それらのピースでは、

 単色ピースの場合は6解で、市松ピースでは、 ピース配置と配色パターンが違う解をすべて別のものと数えると 24解、そのうち市松模様がそろうのは1解(濃2色でも濃1色でも同じ)

という解析結果が得られた。写真のように濃2色にするとヒントが増えていっそう易しくなるはずなのだが、それでも難しい。私にも解けない。いや、実は私はこのテのパズル、そんなに得意ではないけれど。

 このサンプルをつくったのは15年くらい前。「ステインハウス・キューブ」そのままでないアレンジ作を自分がつくったことを全く記憶していなかった。写真のパズルを見る度に「これはステインハウス・キューブの市松版をさらに濃2色にしたモノ」とずっと思っていた。うーん。今回、再点検してわかったところでは、元ネタありのアレンジ作とはいえ、これがMINEデザインの最初の 3x3x3市松パズル ということになる…ようだ。

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
MINEさん、お久しぶりです。

>「3×3×3 市松パズル」の傑作とは、果たしてどのようなものなのだろう?
市松3x3x3キューブの傑作と言われて、まず最初に浮かんだのはBill Cutler氏のSplitting Headacheです。
ピースを1/2に分割しているので正確には6x6x6のキューブですが、解けた時は「ヤラレタ!」と思ってしまいました。
k16さんのサイトで調べてみると、ピースを1/2に分割する市松キューブが多いみたいですね。市松の色を反転させることが出来るからでしょう。

MINEさんのデザインしたCheckered 3x3x3も面白そうですね。
Liveキューブで作って遊んでみたいと思います。
Kusumi
2012/06/27 23:48
Kusumiさん、すっかりご無沙汰してしまっています、コメントありがとうございます。
Bill Cutler氏の市松パズルは一味ちがいますね。そのアイディアをもうちょっとシンプルなピース構成で実現できるといいなぁ、などと考えたりしています。
この記事で紹介している3x3x3市松は Kusumiさんの手にかかったら容易いでしょうが、お気づきの点などありましたら、私信でどうぞ教えてください。

MINE
2012/06/28 15:31
追記しました。
MINE
2012/06/28 17:01

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